Re: 【タイトル未定】オリジナル小説( No.5 )

日時: 2018/01/09 15:45
名前: 李信◆ZkdcFLjE7Q
ID: 5/2OST96

種景はこれまでの経緯を思い出していた。

この世界を突如襲来した異形の怪物が襲ったのは250年前のことである。
そしてそれにリンクするかのように人類の内限られた極僅かな者にだけ発現した『異能』。異能を発現した者は能力者と呼ばれ、本人の意思に関係無く軍に所属させられ、人類を守る為に怪物達と戦わされた。同じ一族に能力が発現しやすい傾向があったが、必ずしもそうとは限らない。
そして、この出来事を機として日本は軍事国家となった。

この秋月種景もその1人だった。

元の名を惟住長政といった。九州の名族・惟住家の産まれである。
しかし惟住家に内訌が発生し、長政は巻き込まれる形で惟住家を追放され、その際に右眼を失った。内訌が起こったのは長政の左眼に宿る異能や長政の出生の秘密が原因だったらしい。

左眼は異能が宿っている為に普段さらけ出して使うわけにもいかず、光の無い中で長政は何日も何日も彷徨った。

そんな時、光を失い傷つきながら彷徨っている長政を拾い、我が子として養育したのが先代の一条家当主・一条兼景だった。惟住長政から一条定景と名を改めた。

定景は兼景を父として慕い、兼景のもとで文武に励み惟住家への復讐と、惟住家により没落した一条家の復権を誓いながら四年間過ごした。

一条家に来てからの定景はその才覚を発揮し、小学生でありながら剣術などの武術や体術、そして歴史、地理、文学、政治、経済、哲学などあらゆる書を読破の上完璧に吸収し、まさに文武両道に成長した。

定景が小学六年生になろうとしている頃、悲劇は起こった。父である兼景が外出中に惟住家により殺害される事件が発生したのだ。

惟住家は国の軍の中枢に居る最高権力者であり、兼景殺害の罪に問われるようなことは全くなかった。

定景が惟住家への憎悪を一層強くしたのは言うまでもない。