【リポケ外伝】「李信、ついにフラグが立つ」( No.3 )

日時: 2017/12/13 22:03:25
名前: 李信
ID: W9tKmk0.

そんなこんなで脱出を試みて失敗し思案に耽っていたところに、ガチャリと家のドアが開く音が部屋の向こうから聞こえてくる。恐らく李信を誘拐しこうして拉致してきた犯人が帰ってきたのだろう。そして、此処は犯人の家の中の犯人の私室。そう考えるのが妥当だと李信は考えた。

「ただいま戻りました!」

そう元気良く部屋のドアを開けて入ってきたのは…15歳くらいの少女だった。黒のロングヘアーに整った顔立ち…見た目は確かに李信の好みではあったが…

「…お前が家主か」

李信はこの少女に会ったことがない。記憶の断片にすら無い。そもそも李信にはこの世界で恋人どころか異性の友人、異性の知り合いさえ居ない。故に李信には女に拉致監禁されるような謂われも縁も無い筈だ。

「李信さん、起きてたんですね!良かったー、弱ってるところをスタンガンで思い切りやったからどうしようかと思ったけど…」

「スタンガンだと?それにお前は誰だ」

李信は思い出した。あの時は赤屍氏の麾下に居た能力者・いぬなりと死闘を繰り広げた直後のセールの誕生日パーティーだった。いぬなりを倒したはいいが李信はその戦いで消耗が激しく、赤屍氏との戦いに駆けつけることは出来なかった。赤屍氏は結局水素が倒した。そしてその翌日のセールの誕生日パーティーだったのだ。

(消耗し切っていておまけに大量の酒を飲まされて意識が朦朧としているところを…やられたのか…)

成る程それなら理解が及ぶ。万全の状態の李信がこのような少女に不覚を取るようなことがある筈も無い。

「李信さん弱ってた上にお酒で酔っていたみたいなのでチャンスだと思って…。あ、私は◯◯◯◯って言います!いつも李信さんのこと見てました!」

少女は名乗るが、この世界では聞き覚えの無い名前である。それに少女の言葉に違和感を感じる。

「見てただと?俺はお前とは初対面だ」

「だって…直接話しかけるなんて出来なかったから…いつも陰で見てることしか出来なかったから…!でもやっと!やっとなんです!こうして直接李信さんに私を見てもらえるのは!」

狂っている。李信はそう感じ取った。自分で拉致監禁しておいて目を輝かせながらこんなことを笑顔で言っている女を狂っていると言わずして何と言うのか。

「別に俺と話したいだけなら直接話しかけてくればよかったものを…俺はそこまで崇高な存在ではない」

「確かに他の人達は李信さんを評価してません…。みんな口を開けば水素水素…エイジスエイジス…。友達同士でお話してても貴方が好きっていう子は居ません。でも!いえだからこそそれがいいんです!」

「…」

「だってそれって!私だけが貴方を好きってことじゃないですか!この世界で私だけが!李信さんを愛してる!私が李信さんを独り占めできる!私だけのものにできる!」

「…落ち着け、お前は…」

「私はずっと李信さんを見てました!李信さんのおかげでアティークを封印できたことも!李信さんがスカグルを壊滅させたことも!李信さんがエイジスさんと戦って洗脳を解いたことも!全部見てたんです!」

李信の制止も虚しく少女は耳を貸さずに一方的な想いをぶつけてくるだけであった。